ガラスコーティングの仕上がりを左右する下地処理の重要性 ①
ガラスコーティングの施工を行う際に欠かせない作業として「下地処理」と呼ばれる工程があります。
下地処置とは、大きく分けて4工程ありますが、これらの作業を疎かにしてしまうとガラスコーティング施工後の仕上がりの艶感に影響するほか、撥水性能などガラスコーティング本来の性能が十分に発揮されない事があります。
今回から4回に分けて下地処理の重要性と注意点について連載を行っていきたいと思います。
下地処理をしないとコーティングの性能が落ちる理由
車の表面には、目には見えない細かいキズや汚れ、鉄粉など様々なコーティングにとって良くない物が付着しています。それは、新車で納車されたばかりの車も同様です。
下地処理を行い、コーティングの障害となる汚れなどを除去することで、コーティングが持つ本来の性能を十分に発揮することが出来ます。
一方で、どんなに性能が良いコーティング剤を下地処理を行わずに施工しても、満足な仕上がりにはならず、コーティングの性能も十分に発揮されません。
場合によっては、キズやムラがコーティング被膜により浮き上がってしまい、逆に美観を損ねてしまい、再施工となってしまう場合もあります。
まずは、第一回目として【入庫時のボディチェック】について書いていきます。
車によって、ボディの状態や塗装塗膜の状態は異なります。新車、既存車の違いはもちろんですが、保管状況や走行状態などによって汚れの付着や鉄粉の付着など様々です。コーティングを施工する上で、車の状態に応じた下地処理を行うためにも、念入りなボディコンディションチェックが必要となります。ボディの状態はもちろん、塗装塗膜の状態もチェックし、下地処理に必要な作業を確認します。また、下地処理を行う前にナンバープレートなどの取外しできるパーツは先に取外しを行います。
ボディチェック時のポイント
① 洗車やケミカルで落ちる汚れと磨きが必要な汚れのチェック
汚れの種類や程度に応じて、洗車時に使うケミカルの選定や磨き作業を何工程にするのかなど大事なポイントとなります。
② 鉄粉の付着の有無チェック
鉄粉の付着の程度により、鉄粉除去剤などのケミカルで落とすのか、粘土やクレイクロス等が必要なのかが変わります。また、磨きの仕上がりにも影響が出てきますので、しっかりと鉄粉の状況を把握しましょう。
③ 塗膜の状態チェック
ボディーのキズ、水垢やイオンデポジットなどの付着状況の確認、塗膜の状態を確認します。特に既存車の場合は、クリアー被膜の状況が車によって様々です。クリアー被膜が薄くなっていたり、剝がれが出始めている車は磨き作業が出来ない場合もあります。ボディーのキズも良く確認し、洗車キズや引っかき傷の状況を確認します。キズの程度によっては磨き作業で取れない場合がありますので、注意して下さい。
④ 取外し可能パーツの取外し
取外しが可能なパーツは、この時に外しましょう。パーツを取り外すことで、下地処理を隅々まで効率的に処理することができ、コーティング施工作業を十全に行うことが出来ます。
さて、今回は下地処理の注意点として【入庫時のボディチェック】についてまとめました。
次回は、【洗車時の注意点】をまとめたいと思います。
ガラスコーティングの施工には、コーティング剤だけでなく施工店の卓越したプロの施工技術と細かな下地処理があってはじめて美しい仕上がりとなります。
コーティング施工は、プロの施工店に依頼して愛車の輝きと汚れのない美しいボディを維持しましょう。