ガラスコーティングの仕上がりを左右する下地処理の重要性 ④
ガラスコーティングの施工を行う際に欠かせない作業として「下地処理」と呼ばれる工程があります。
下地処置とは、大きく分けて4工程ありますが、これらの作業を疎かにしてしまうとガラスコーティング施工後の仕上がりの艶感に影響するほか、撥水性能などガラスコーティング本来の性能が十分に発揮されない事があります。
本連載では、4回に分けて下地処理の重要性と注意点について連載を行っています。
第4回目の今回は下地処理の最後の工程となる【脱脂作業時の注意点】について書いていきます。
脱脂作業は、コーティング施工前最後の工程となり、この脱脂作業によってコーティングの定着・被膜形成に影響があり、汚れや油分が残っていると本来の撥水性能がなくなってしまったり、曇りや色合いにムラが出来てしまう危険性があります。
洗車した車であっても注意が必要です。洗車には、カーシャンプーを使用すると思いますが、カーシャンプーには、界面活性剤などの化学成分が含まれており、この成分は水で洗い流しても残りやすい性質を持っています。そのため、コーティング被膜の結合の邪魔をしてしまいます。
また、磨き作業時に使用したコンパウンドの残りにも注意してください。研磨剤が残ってしまうのはもちろんですが、ほとんどのコンパウンドには多かれ少なかれ油分を含んでいます。
このような油脂や化学成分、汚れをまとめて落とす作業が脱脂です。【クルマキレイ】では、脱脂時には原則「IPA」(イソプピルアルコール)を使用することをお奨めします。
脱脂作業時のポイント
① 洗車後のシャンプー残りやコンパウンド残りに要注意
カーシャンプーを洗い流すときは、充分に流し余分な成分が残らない様に注意して下さい。磨き作業後は、コンパウンド残りを十分にチェックしましょう。特に残りやすい箇所(パネルとパネルの隙間やドア縁、マスキングとの際)は、見逃さない様に注意して下さい。
② 2枚のウエスでキレイに拭き上げる
脱脂する時は、直接ボディーに脱脂剤をスプレーし吹き付け、キレイなウエスで拭き上げてください。この時に1回目に拭き上げるウエス(脱脂剤を拭き取る)と2回目に拭き上げるウエス(仕上げ拭き)のウエスは、それぞれ用意してください。常に1枚はキレイな状態のウエスで最後の仕上げ拭きを行てください。
③ 脱脂しながら再度ボディチェックを
脱脂を行うと、コンパウンドの油分や油脂などで隠れていた汚れや傷が出てくることがあります。コーティングを最高の仕上がりにするためにも見逃さない様に再度ボディのチェックを行いコーティング施工時のトラブルを無くしましょう。
これで、下地処理の重要性と注意点についての連載は、終わりとなります。
もちろんこの連載には書ききれていない作業も多々あり、そのどれもがコーティングの仕上がりを左右するものであります。しかし、この連載の下地処理はガラスコーティングの施工において特に重要なことであり、施工ムラや施工トラブルを発生させないためにもつながる事です。ぜひ、今一度施工前の下地処理作業を見直して、ワンランク上のコーティング施工をお客様へ提供していきましょう。
ガラスコーティングの施工には、コーティング剤だけでなく施工店の卓越したプロの施工技術と細かな下地処理があってはじめて美しい仕上がりとなります。
コーティング施工は、プロの施工店に依頼して愛車の輝きと汚れのない美しいボディを維持しましょう。